ATON COLOR®
23FWは、ブラウンカシミヤの豊かなグラデーションの中に、美しいオレンジやアイテムが点在しています。

まるで火口から噴出し地表に流れでたマグマのような、大地の圧倒的な力を感じさせるようなカラーパレットです。

この数年、滋賀県の信楽に訪れることが多いなか、信楽焼に興味を持ち古信楽焼の本『信楽古壺大成』と出会いました。日本人の美意識の原点ともいえる信楽の古壺をまとめた本で、土がもつ素朴で温かい風合いと、焼成時の温度などで様々なオレンジや茶色の模様が特徴で、まるで大地と一体化した美しさに強くインスパイアされ、様々なトーンのブラウンとオレンジでコレクションを構成しました。

素材は、長年テストしてきた最高級のコットンのような肌触りのウールによる、カレッジフランネルやフリース、ニットやジャージが完成し、素肌にも着れるウールコートからドレス、プルオーバー、Tシャツまで展開。

また新技術の京都でヌバック加工をしたシルクなどが完成し、着用した時に流れるドレープが特長の、エイトンオリジナル加工です。


デザインでは、今まで研究していたダウンに代わるスイスウール(ウィメンズ)や、リサイクルカシミヤ(メンズユニ)のワタを使い新しく中綿アウターを展開しています。
今シーズンはウィメンズは女性らしさを意識しつつ、フォーマルでは無い素材のカシミヤニットやウールやコットンジャージによるクチュールドレスのスタイルを、メンズもより充実したラインナップで展開いたします。

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BOTANICAL DYE SERIES

カンボタン
SCIENTIFIC NAME | PAEONIA SUFFRUTICOSA
古い時代に日本に渡ってきた中国原産の落葉低木。
茶花として寒牡丹を入れる場合、必ず昔から古木を入れることになっている。
NATURAL DYE URAKE | PINK

ユキワリイチゲ
SCIENTIFIC NAME | ANEMONE KEISKEANA
関西地方の山すその林下や竹藪の中で群生する多年生草本。11月には新芽を出し冬を越す。
雪の中で既に芽でるから雪割一華。
また、花の色味基づいて瑠璃一華。
花は日が当たると開き、上部はやや白色、下部は淡紫色を帯びている。
NATURAL DYE URAKE | BLUE GREEN

ハナズオウ
SCIENTIFIC NAME | CERCIS CHINENSIS
昔中国より渡来し現在では広く人家に栽培されている。春、葉の出る前に枝の所々に小さい紅紫色の胡蝶花を固めてつける。
NATURAL DYE URAKE | BURGUNDY

ATON COLOR®

服作りに関わるすべての工程には、長い時間をかけて培われ、職人達によって受け継がれてきた技術がある。効率化が優先される現代においてはしかし、その技術の素晴らしさは顧みられず、少しずつ失われようとしている。一度失われてしまえば、再生することは叶わない。だからこそ、今も日本に点在する小さなメーカーや工場が持つ技術を残し、伝えたい。そのために私たちは職人とともに仕事をし、新しいアイディアを試し、美しい服を作り続けている。

例えば、染色技術について。天然染料で染められた生地には色の奥行きがあり、私たちがボタニカルカラーと呼ぶ、複雑に折り重ねられたその色は、圧倒的な美しさを湛えて、人間の根源的な感性に訴える力を持っている。

Botanical Dye

自然界に存在する色は、層になっている。その中には、人間の視覚では認識できないものも含まれているが、“見えない色”こそが、美しい奥行きを生み出している。その考え方を天然染色に用いて、20年以上に及ぶ研究の成果として確立したのが、東京・千駄ケ谷にある〈シオンテック〉の創業者・菱川恵介氏だった。たとえ単色であったとしても、色を重ねて表現する。そのために、植物の花、葉、茎、樹皮、果皮、さらに鉱石などの原料がおよそ3000種ストックされている。さらに伊勢神宮内宮の榊や大峰山の笹など、世界中の多様な天然原料から抽出し、染色されたアーカイブは、数万種にも及ぶ。複数回の染色によって同じ色味を表現することは、まったく同じものが存在しない天然原料においては非常に難しい技術だが、〈シオンテック〉には、同じ色味を表現するためのレシピがデータ化されている。

Indigo

本来は県外には持ち出すことができない琉球藍。友禅の職人であった故・吉川慶一氏が沖縄での修行を重ね、初めて琉球藍を京都で染めることが許されたという。水瓶の上に町があると称されるほどの京都の美しい水によって染められるために、その藍は沖縄とはまた違う、モダンささえ感じさせる藍色になる。自然乾燥させた藍の葉を用いて染液を作り、醗酵させる。この工程を職人たちは「藍を建てる」と呼び、「藍の花」と呼ばれる赤みを帯びた泡を合図に、手染めしていく。黄色く染まった生地は酸素との結合によって、藍色へと変化する。その工程を繰り返し、濃度を高め、薄い順に「瓶覗き」「水色」「縹色」「納戸」「藍」「鐵紺」「勝色」など、48通りもの藍色が生み出されていく。吉川氏から受け継がれた技術によって、京都・亀岡では今も職人たちがその手を藍色に染めながら、一枚ずつ琉球藍の美しさを伝えている。

Logwood

かつて黒を表現するための染料は、ログウッドしか存在しなかった。それはナポレオンが纏ったウールのコートの黒であり、この希少なメキシコ産の樹木を取り合って戦争さえ起こったという。ログウッドの黒を、高密度に織り上げたリネンのハリや光沢を保ったまま染め上げるためには、ジッガー染色という原始的な技術で染めるしかない。埼玉県・羽生には140年あまり続くジッガー染色の染工場がある。ローラーに巻きつけたリネンの反物をもうひとつのローラーで巻き取りながら、ログウッドから抽出した染液にくぐらせていく。巻き取り終わったら逆回転させ、再びローラーで巻き取りながら染液にくぐらせる。生地を引っ張りながら染色を行うために、揉み込むような染色方法では得られない、ツヤと光沢が表現される。黒は決して単色ではなく、光の反射によって、多彩な色を放つ黒となる。

Anthurium

熱帯アメリカから西インド諸島にまで分布するアンスリウムには花びらのように蕾を包み込む、仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる赤い葉があり、その赤は、淡くも鮮やかなピンクに生地を染める。肉厚で密度の高いコットン生地の質感を損なわずにスウェットを染めるためには、パドル染色と呼ばれる方法が最適だった。東京・小石川には、およそ110年間パドル染色と呼ばれる技術を伝える染工場があり、まるでスウェットが染液の中を泳ぐようにして染められていく。機械に直接当たることなく、また生地が擦れ合わずに染められるために、質感は保たれたまま。まるで生地から染めたように、縫製箇所にさえ、色むらがない。そして、乾燥機を使わずに自然乾燥させるために、肉厚なコットン生地でありながらも上質さを担保している。