VOL.17 | INDIGO
2023.09.13
今回は、9月13日(水)よりベルリンと東京の2拠点で開催している、BERLIN ART WEEK 2023 AT ANDREAS MURKUDIS ATON SPECIAL INSTALLATIONの”藍染”についてお話しします。
藍は、人類最古の染料ともいわれ、藍染めは天然藍染料を使用した日本の伝統的な天然染めの技法で、約600年以上継承されています。 ATONが使用している藍染めは、染料となる天然藍染料を作る『藍師』と、それを染める『染師』によって美しい色が生まれます。
『藍師』外山氏
はじめに、藍づくりの本場、徳島県阿波地方で先祖代々続く6代目の『藍師』育てられた阿波藍(国選定無形文化財)を原料にした「蒅(すくも)」が出来るまでです。
藍の栽培は3月から始まります。大安の日を選んで藍の種を苗床に撒き、種が隠れる程度に覆土します。一か月後には藍の苗が発芽し、間引きを行います。藍の葉は生長スピードが速く、収穫までに間引きや移植を複数回繰り返します。
刈り取った葉は、直ちに畑から藍師宅の庭に移され、天日で十分に乾燥され保存されます。これを、「藍粉成し(あいこなし)」と呼びます。
9月になると、保存されていた葉藍は、寝床に入れられます。その後は、水のみをかけ発酵を促し、5日から7日ごとに水を打ち混ぜる「切り返し」という作業を繰り返し行い、冷え込みが厳しくなる頃に、藍染めの染料「蒅(すくも)」が完成します。
年を跨いだ年始、おおよそ1年をかけ大事に作られた「蒅(すくも)」を『染師』に出荷します。
『染師』浅井氏
京都盆地の潤沢で質の良い水を使って『染師』によって染色されます。
徳島で作られた蒅に、石灰や日本酒を混ぜながら発酵を促し、『藍師』が藍の機嫌をうかがいながらゆっくり染料を作っていきます。
機嫌が良い藍とは、濃度が高く鮮やかな色が出やすく、藍甕の表面に濃紺色の泡が多く発生する様子を、昔から『藍の花が咲く』と呼んで、機嫌を表現していました。
染め方は、手作業により1枚ずつ染色工程(染め→絞り→水洗い)を幾度と繰り返し、回数を重ねていくたびに色の濃度が高まります。最も濃い色は、約20〜25回ほど繰り返します。
藍で染められた色名は、全部で48色あると言われ、多くは直接的な色名ではなく、様々なストーリーなど日本語の美学が込められています。
京都の2代目『染師』と、徳島の6代目『藍師』とは、お互いの仕事をリスペクトしながら、先代からのお付き合いと技術を継承し、美しい藍色を守り続けています。
[ベルリン]
Berlin Art Week 2023 at ANDREAS MURKUDIS
ATON SPECIAL INSTALLATION
開催期間 : 2023年9月13日(水) - 30日(土)
営業時間:午前11時 – 午後7時
場所 : Potsdamer Strasse 81, 10785 Berlin
ウェブサイト:https://andreasmurkudis.com/
エイトンブランドディレクター在店日:9/13(水) - 16日(土)
[東京]
ATON at ANDREAS MURKUDIS SATELLITE SHOP IN TOKYO
開催期間:2023年9月13 日(水) – 24 日(日)
営業時間:午前11時-午後6時
エイトンブランドディレクター在店日: 9月22日(金)、23日(土)
ご入店は予約制とさせて頂きます。お手数をおかけ致しますが、
事前に下記予約サイトよりご予約の上、ご来店くださいますようお願い申しあげます。
予約サイト: https://coubic.com/aton/4252347
Comment from Andreas
AESOPの創設者である友人のデニス・パフィティスから、タオルとリネンのブランドÉCHAPPERを最初に紹介されました。私はすぐに魅了され、ディレクターの久﨑康晴が衣料品ブランドATONのディレクションもしていることを知りました。生地のクオリティ、伝統的で複雑な日本の染色技術、カッティングや縫い目の完璧さに驚かされました。私はすぐに、非の打ちどころのない職人技だけでなく、通常の化学染料では実現できない京都の藍の9つの色合いにスポットライトを当てた、大型展示を実現したいと思いました。