VOL.19 | SILK_02
2024.08.22
ATONでは2024 FALL & WINETRより、様々な表情のシルクを展開しています。
通常のツルッとした光沢のあるシルクだけではなく、スウェード皮革のようなシルク。カシミヤのようなシルク。英国羊毛のゴワゴワしたシルク、ナイロンのようなシルクなど、新しく開発したシルクの可能性を探ってみました。
今回は、日本におけるシルクの歴史と、福井県鯖江市で作られている「コーティング シルク」についてお話しします。
シルク(絹)は蛾の幼虫である「蚕(カイコ)」が吐く繭から作られる天然繊維です。
紀元前6000年ごろ、中国の黄河や揚子江流域で野生の蚕が育てられ、繭を取ることが始まったとされ、採取された絹は宮廷に献上されるようになりました。日本には、シルクロードが形成される以前の弥生時代にもたらされ、独自の発展を遂げました。
平安時代に入ると、貴族のために着物の様な和装の基礎が築かれ、室町時代から安土桃山時代にかけて、多彩な糸を用いた高級絹織物である「西陣織」が発展しました。
江戸時代に入ると、京都の西陣で技術を学んだ職人たちが各地に移り、地域ごとに独自の絹織物を生みだしました。福井県の機屋さんもその一環です。
明治時代に入ると、日本の絹産業は最盛期を迎え、1900年ごろには世界最大の絹輸出国となりました。国内の農家の約4割が養蚕を行い、絹は主要産業に育ちました。
(写真は昔のシルク糸を紡績する日本のメーカーのタグです。現在は数件しか残っていません。)
第一次世界大戦中、絹はパラシュートに使用される軽くて丈夫な素材として採用され軍需工場として生産されていました。
しかし、第二次世界大戦中には絹からナイロンへの移行が進み絹産業は衰退、全盛期の1割以下となりました。
ATONでは、絹からナイロンへの転換を振り返り、「ナイロンのようなシルク」を生み出しました。
スポーツ用途などでナイロンが生産されている福井県で、絹専業の機屋さんにより、ゆっくりと高密度に織り上げられた「コーティングシルク」を開発いたしました。ナイロンのようなハリと撥水性を持ちながらも、シルク独特の繊細な光沢感を表現しています。
ATONは、過去の歴史と技術を尊重し、現代に合った様々な表情を持つシルクの開発に力を入れています。先人たちが築いた素晴らしい技術と生地を現代の洋服作りに活かし、継承していくことが重要だと考えています。
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PRICE:¥143,000
COLOR:GRAY / BROWN
SIZE:02(44) / 04(46) / 06(48)
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※こちらはオンラインストアでの販売はございません。在庫はエイトン青山へお問合せください。